【翻訳】FAQ - 3. 入力データ
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3. 入力データ
メーリングリストで報告される問題の多くは,単に入力データのミスが原因で生じています。おかしな動作や結果と思ったら,報告する前に一度,XCrysDen等の視覚化ソフトで構造をご覧になってみてください。PWswfの入出力データは,XCrySDenを使って以下の要領で可視化できます。
入力ファイルの場合,
xcrysden --pwi "input-data-file"
出力ファイルの場合,
xcrysden --pwo "output-file"
XCrySDenは周期性を意識した可視化ソフトです。簡単に周期的に繰り返されたセルを可視化できます。入力ファイルをチェックするのにXCrysDenを使用することをお勧めします。
3.1 QEではプリミティブセルと通常の単位胞のいずれを使いますか?また,原子の指定の仕方は,全ての原子,対称性非等価な原子のみのいずれですか?
通常,プリミティブセルに対して全ての原子を指定します。格子定数パラメータや原子座標位置を適切に指定する限り,所謂"通常"の単位胞を扱うことも可能です。
3.2 結晶構造(XYZ形式)はどこで入手できますか?
American Mineralogist Crystal Structure Database (アメリカ鉱物結晶構造データベース)が大変豊富です。bilbao crystallography serverも素晴らしく,空間群やワイコフ位置を理解する教材にもなります。http://cci.lbl.gov/cctbx/index.htmlも興味深いサイトです。 (Mike Mehlからの情報提供)
CIFファイルは,Carlo Nervi (イタリア・トリノ大学)が開発したスクリプトPW/tools/pw2cif.shやGDIS v.0.99以降で変換できます。GDISでCIFファイルを開いて,'filename.pwi'として保存します。拡張子'pwi'のファイルを,Quntum ESPRESSOの単純な入力ファイルとして利用可能です。(Mutlu Colakogullariからの情報提供)
3.3 扱っている系が4H2131cの構造です。QEへの入力方法を教えてください。
構造を指定する方法は幾つかあり,Doc/INPUT_PW.*に記載があります。使い易い形式で入力してください。格子は,ブラベー格子,格子定数a,b,c,cos(ab), cos(ac), cos(bc),基本格子ベクトルから選ぶことができます。原子位置は,基本格子ベクトルまたはデカルト座標について,ボーア半径単位,オングストローム単位,格子定数単位で指定できます。
3.4 スーパーセルの作り方を教えてください。
手計算や,原子位置を変換するプログラムを作らずに,既存のプログラムを使ってスーパーセルを作ることができます。
- XCrySDen (G. Mattioli談)
- gaussview, Avogadro (A. Shearer談)
- VESTAを使うのが良いです。描画が美しく,スーパーセルを作るのに使い勝手が良く,XYZ形式で原子位置を保存することができます。LinuxやWindowsでも動作します。 (Arles V. Gil Rebaza談)
- DL_POLYのユーティリティ"genlat.f" (G. Lapenna談)
- EXCITINGパッケージ (http://exciting-code.org)のプログラム'spacegroup'を使ってスーパーセルを生成し,use ‘fropho’ (http://fropho.sourceforge.net)を使って対称性のチェックをします。(Kun Yin談, 2009年4月)
- PHON (http://www.homepages.ucl.ac.uk/~ucfbdxa/)がお勧めです。(Eyvaz Isaev談, 2009年4月)
3.5 XYZへのブリルアンゾーンや高対称点,Where can I find the Brillouin Zone/high-symmetry points/irreps for XYZ?
このウェブサイトhttp://www.cryst.ehu.es/cryst/get_kvec.htmlを参照すると良いでしょう (Cyrille Barreteau談, nov. 2007)。あるいは,"The mathematical theory of symmetry in solids" (C.j. Bradley, A.P. Cracknell著)などの教科書も有用です。
3.6 Monkhorst-Packグリッドでk点を与えたい場合,どうすればよいですか?
pwtoolsにある補助コードkpoints.xを使ってMonkhorst-Packグリッドに相当するk点グリッドを生成できます。
3.7 ある原子の占有率を強制指定するにはどうすればよいですか?
できません。酸化状態の異なる二原子を扱う場合は,こちらのチュートリアルをご覧ください。
【翻訳】FAQ - 2. 擬ポテンシャル
RESOURCES - FAQ - 2. Pseudopotentialsの翻訳です。翻訳間違い等ありましたら,コメント欄にお願いします。
2. 擬ポテンシャル
計算を成功させるために,擬ポテンシャルを適切に選択する必要があります。1つだけの擬ポテンシャルを信用し過ぎずに複数の擬ポテンシャルを使ってテストするべきです。
2.1 擬ポテンシャルはどこで入手できますか?
Quantum ESPRESSOウェブサイトの擬ポテンシャルページを参照して下さい。表や他の表へのリンク等から,必要な擬ポテンシャルを見つけることができます。メーリングリストに問い合わせる場合,具体的にどのような擬ポテンシャルが必要なのかを明示して下さい。ノルム保存,ウルトラソフト型,PAW,相対論や,相互作用,元素,原子の価数の情報を指定すると良いでしょう。
2.2 複数の擬ポテンシャルのうち、どれを利用するのが良いですか?
時間的および計算的効率の観点で,必要な計算条件は計算者各々が見出し,確立するのが良いでしょう。電子構造計算を行う上で,適した擬ポテンシャルを選択することは大変重要です。他人があなたの為に代理で行ってくれるのが一般的と思いますか?擬ポテンシャルページのリンクやリソースをご覧ください。
2.3 USPP/NCPP/PAWを混在させることはできますか?
USPP, PAWに関しては幾らかできない場合もありますが,基本的にできます。cp.xには若干制約があります。USPPはローカルPPの前に記述してください。USPPはNCPPより前に記載してあります。さらに,PPは同一の交換相関を使って生成する必要があります。そうしないと,酷く混乱するでしょう。カットオフを決定する際に利用されることにも注意してください。
2.4 全エネルギーの計算結果が擬ポテンシャルに依存します。。
はい,エネルギーの絶対値は擬ポテンシャルに依存します。エネルギーの相対差が物理的に議論可能です。特に,電子数の異なる擬ポテンシャルどうしを比較する場合,エネルギーの絶対差が大きくなりがちです。
2.5 希土類原子の擬ポテンシャルはどこで入手できますか?
まずはDFTがご利用のシステムに適しているかどうかを検討してください。多くの場合,少なくともGGA等の"plain"DFTはあまり良くありません。それでも有用であると確信がある場合は,上記を参照してください。
2.6 XYZフォーマットとUPFを相互変換するソフトはありますか?
保証はありませんが,利用可能なものがディレクトリupftools/に含まれています。新しい変換ソフトを作成頂ければ皆が大変助かります。
【翻訳】FAQ - 1. インストール
RESOURCES - FAQ - 1. Installationの翻訳です。翻訳間違い等ありましたら,コメント欄にお願いします。
1. インストール
多くのインストールの問題は,原因は明らかであり,エラーメッセージを読んでそれに従えば解決します。時々,原因が明確でない場合もあります。そのような場合,ユーザーガイドの2節 インストールをご覧ください。また,pw_forumに似通った質問および解決法が投稿されていないかどうかを確認してください。深刻なエラーが発生する場合,Google等のインターネット検索エンジンで検索してみてください。多くの場合,説明や回避策を見つけることができます。
Glenn Lockwoodのホームページにも有用な情報が沢山記載されています。
1.1 必要なFortranコンパイラを教えてください。
Fortran 95コンパイラがあれば,コードを変更せず,したとしても若干の変更で動作するでしょう。ただし,configureは自動的にシステムを認識するとは限りません。
1.2 configureで,Fortranコンパイラが無いと表示が出ます。
本当に無いか,パスが通っていないか,ファイル名が異なっているかの可能性が考えられます。無ければインストールしてください。インストールされていれば,パスやエイリアスを確認してみてください。configureの引数に,./configure F90=/some/strange/f95のようにパスを指定して実行しても動作しません。
1.3 configureで,Fortranコンパイラが動作しないと表示が出ます。
本当に動かないのでしょう。より正確に言うと,configureはテストプログラムのコンパイルを試みますが,これに失敗したということです。コンパイラが正常にインストールされていないことが原因です。PCのIntelコンパイラの場合,コンパイルの初期化をし忘れている等を疑ってみてください。
1.4 configureがシステムを正常に認識しません。
コンパイルやリンクが動作するのであれば,気にする必要はありません。気になるならば,保証付きアーキテクチャを利用するか,make.sysファイルを手動で編集してください。詳細はユーザーガイドの2節をご覧ください。
1.5 configureが並列マシンであることを認識しません。
並列化環境を完全に適切に指定する必要があります。少しでも指定ミスがあると,並列ではなく逐次環境でのコンパイルとなります。詳細はユーザーガイドの2節をご覧ください。
1.6 内部エラーでコンパイルが失敗します。
コンパイル中のメッセージが内部エラーの類を意味する場合,コンパイラのバグである可能性があります。特に市販品であれば,コンパイラ作成元に報告するのが良いでしょう。最適化レベルを下げたり,どこか別の場所にコードを再配置すると問題が解消されることがあります。他には,他のコンパイラや,同じコンパイラのバグが少ないバージョンを利用するのも手です。
1.7 リンクの段階でコンパイルに失敗します。
エラーシンボルがコードに存在しない場合,FortranからCへの変換を行うファイルinclude/c_defs.hが原因です。このファイルを編集して,再試行してください。
エラーシンボルが外部ライブラリ(BLAS, LAPACK, FFT, MPI)に含まれる場合,コンパイラとライブラリの間でライブラリ名が一致していない可能性があります。ユーザーガイドの2節をご覧ください。
エラーシンボルがコードにもライブラリにも見つからない場合,そのシンボルはシステムライブラリのシンボルです。i) 外部ライブラリから呼び出されている場合,そのシステムライブラリを追加するか,同一のコンパイラでコンパイルされた他の外部ライブラリを用いる必要があります。ii) 外部ライブラリを使用しておらずエラーシンボルが消えない場合,コンパイラやライブラリが正しくインストールされていないということになります。
【翻訳】Quantum ESPRESSOで何ができるか?
PROJECT - What can QE doの翻訳です。無理に日本語にしない方が良い用語もあると思いますが,可能な限り日本語化しました。翻訳間違い等ありましたら,コメント欄にお願いします。
基底状態計算:
- 自己無撞着法による全エネルギー,力,ストレス
- コーン-シャム軌道
- 線形分離のノルム保存型・Vanderbilt型ウルトラソフト擬ポテンシャル法,PAW法
- 交換相関関数: LDA (局所密度近似), GGA (一般化勾配近似; PW91, PBE, B88-P86, BLYP),メタGGA, Exact Exchange(交換項を厳密に取り扱うアプローチ; ハートリー・フォック法の派生),ハイブリッド関数 (PBE0, B3LYP, HSE);
- ファン・デル・ワールス補正 (DFT-D),または非局所ファン・デル・ワールス密度汎関数 (vdw-DF)
- ハバード模型のクーロン相互作用エネルギーU (DFT+U)
- ベリー位相の分極
- スピン-軌道相互作用とノンコリニア磁性
非経験的分離動力学計算:
- カー-パリメロ分子動力学 (CPパッケージ)
- ボルン-オッペンハイマー分子動力学 (PWscfパッケージ)
応答特性 (DFPT):
分光特性:
量子輸送:
- バリスティック輸送 (PWCONDパッケージ)
- 最大局在ワニエ関数からのコヒーレント輸送算出 (WanTコード)
- 最大局在ワニエ関数と輸送特性 (WANNIER90コード)
プラットフォーム:
大型並列マシン(IBM SPやBlueGene, Cray XT, Altix, NEC SX)からワークステーション(HP, IBM, SUN, Inte, AMD),Linux, Windows, Mac OS Xが動作する個々のPC,様々なネットワーク(ギガビットイーサネット,ミリネット, インフィ二バンド等)で接続された32 bitや64 bitのIntelやAMDプロセッサーから成るクラスターマシンまで,考え得るあらゆるアーキテクチャで動作します。携帯電話やプレイステーションでさえ動作します。Intel CPUのMKLや,AMD CPUのACML,ICMマシンのESSLなど全ての数学ライブラリにも対応しています。QE-GPUアドオンパッケージを導入すれば,GPU対応バージョンを利用可能です。
(オリジナル版最終更新日: 2015年8月14日)
【翻訳】前言
PROJECT - MANIFESTOの翻訳です。翻訳間違い等ありましたら、コメント欄にお願いします。
前言
Quantum ESPRESSOは、電子構造計算やナノスケールでの物質モデリングを行うための、オープンソースの統合ソフトです。計算は、密度汎関数論、平面波、擬ポテンシャルに基づいています。
Quantum ESPRESSOは、コード開発は独立性を尊重しつつ相互運用性を保ち、オープンソースプロジェクト精神の下、広く配布をしながら発展して来ました。Quantum ESPRESSO配布ファイルは、メインコードと、様々な発展要素を含むプラグイン、そしてメインコードと相互運用性を保ったサードパーティ性パッケージで構成されています。電子構造計算分野で活躍する研究者は、各自のコードを提供したり、既存コードに各々のアイデアを実装したりして、本プロジェクトに積極的に参加することが期待されています。
Quantum ESPRESSOは、Quantum ESPRESSO財団が中心となって世界中の多くのグループと共同で開発しています。現在、先端研究国際大学院大学 (イタリア・トリエステ)、アブドッゥサラーム国際理論物理学センター (イタリア・トリエステ)、イタリア国立計算機センターCINECA (ボローニャ)、スイス連邦工科大学ローザンヌ校、北テキサス大学 (アメリカ・ダラス)、デューク大学 (アメリカ・ダーラム)がグループメンバーとして活動しています。
Quantum ESPRESSOの電子構造理論の実習講義が、アブドッゥサラーム国際理論物理学センターの協力によりトリエステで定期的に開催されています。
(オリジナル版最終更新日: 2014年1月27日)
【翻訳】Quantum ESPRESSO Windowsインストーラー
QE-on-Windows.pdfの翻訳です。翻訳間違い等ありましたら、コメント欄にお願いします。
WindowsへのQEのインストール
Windows用インストーラーは、32ビット版, 64ビット版についてMPIをサポートしたものとしていないものの計4つが用意されている。各自のマシンに必要な実行形式インストーラーをダウンロードし、実行、ダイアログに従えば良い。各々のバージョンのインストール先ディレクトリは異なるため、1台のマシンに複数バージョンをインストールすることもできる。その場合、最後にインストールしたパッケージが優先される。
Windows上でQEを実行する方法は、以下の説明をご覧頂きたい。逐次処理、並列処理それぞれの方法が記載してある。MPIを用いた並列化を利用する場合、アルゴンヌ研究所のMPICH2を予めインストールしておく必要がある。32bitのWindowsで利用する場合、mpich2-1.4.1p1-win-ia32.msiか類するバージョンのダウンロード、インストールが必要である。同様に、64ビットWindowsの場合は、mpich2-1.4.1p1-win-x86-64.msi等である。
インストーラーパッケージの内容
インストーラーパッケージには以下の実行ファイルが含まれている。
average.exe | band_plot.exe | bands_FS.exe |
bands.exe | bgw2pw.exe | cppp.exe |
cp.exe | d3.exe | dist.exe |
dos.exe | dynmat.exe | epsilon.exe |
ev.exe | fd_ef.exe | fd_ifc.exe |
fd.exe | fqha.exe | generate_rVV10_kernel_table.exe |
generate_vdW_kernel_table.exe | gipaw.exe | gww_fit.exe |
gww.exe | head.exe | initial_state.exe |
iotk_print_kinds.exe | iotk.exe | kpoints.exe |
kvecs_FS.exe | lambda.exe | ld1.exe |
manypw.exe | matdyn.exe | neb.exe |
path_interpolation.exe | phcg.exe | ph.exe |
plan_avg.exe | plotband.exe | plotproj.exe |
plotrho.exe | pmw.exe | pp.exe |
projwfc.exe | pw2bgw.exe | pw2gw.exe |
pw2wannier90.exe | pw4gww.exe | pwcond.exe |
pw_export.exe | pwi2xsf.exe | pw.exe |
q2qstar.exe | q2r.exe | q2trans_fd.exe |
q2trans.exe | sumpdos.exe | turbo_davidson.exe |
turbo_lanczos.exe | turbo_spectrum.exe | wannier90.exe |
wannier_ham.exe | wannier_plot.exe | wfck2r.exe |
wfdd.exe | xspectra.exe |
パッケージに同梱の擬ポテンシャルファイルは以下である。
Al.pz-vbc.UPF | As.pz-bhs.UPF | Au.pz-rrkjus_aewfc.UPF |
Ba-vdb-usp-pbe.UPF | B.pbe-rrkjus-gipaw-dc.UPF | B.pbe-tm-gipaw.UPF |
Ch_PBE_TM_2pj.UPF | C.pbe-mt_gipaw.UPF | C.pbe-n-kjpaw_psl.0.1.UPF |
C.pbe-rrkjus-gipaw-dc.UPF | C.pbe-rrkjus.UPF | C_PBE_TM_2pj.UPF |
C.pbe-tm-gipaw.UPF | C.pbe-van_ak.UPF | C.pbe-van_bm.UPF |
C.pz-rrkjus.UPF | C.pz-vbc.UPF | C.tpss-mt.UPF |
Cu.pbe-kjpaw.UPF | Cu.pz-d-rrkjus.UPF | Cu.pz-n-van_ak.UPF |
Fe.jry.pbe.UPF | Fe.pz-nd-rrkjus.UPF | Ge.pbe-kjpaw.UPF |
H.blyp-vbc.UPF | H.coulomb-ae.UPF | H.pbe-kjpaw.UPF |
H.pbe-rrkjus-gipaw-dc.UPF | H.pbe-rrkjus.UPF | H.pbe-tm-gipaw.UPF |
H.pbe-van_ak.UPF | H.pbe-vbc.UPF | H.pz-rrkjus.UPF |
H.pz-vbc.UPF | H.tpss-mt.UPF | HUSPBE.RRKJ3 |
H_US.van | Li.pbe-tm-gipaw.UPF | Na.pz-n-vbc.UPF |
Ni_PBE_TM_2pj.UPF | Ni.pz-nd-rrkjus.UPF | Ni.rel-pbe-nd-rrkjus.UPF |
N.pbe-kjpaw.UPF | N.pbe-rrkjus-gipaw-dc.UPF | N.pbe-tm-gipaw.UPF |
O.blyp-mt.UPF | O.pbe-kjpaw.UPF | O.pbe-rrkjus-gipaw-dc.UPF |
O.pbe-rrkjus.UPF | O.pbe-tm-gipaw.UPF | O_PBE_TM.UPF |
O_PBE_USPP.UPF | O.pbe-van_ak.UPF | O.pz-kjpaw.UPF |
O.pz-rrkjus.UPF | O.pz-van_ak.UPF | O_US.van |
Pb.pz-d-van.UPF | Pt.rel-pbe-n-rrkjus.UPF | Pt.rel-pz-n-rrkjus.UPF |
Rh.pbe-rrkjus_lb.UPF | Rhs.pbe-rrkjus_lb.UPF | Si.bhs |
Si.pbe-n-van.UPF | Si.pbe-rrkj.UPF | Si.pbe-tm-gipaw.UPF |
Si_PBE_USPP.UPF | Si.pz-vbc.UPF | Si.rel-pbe-rrkj.UPF |
Si.vbc.UPF | Ti.pbe-sp-van_ak.UPF | Ti.pz-sp-van_ak.UPF |
インストーラーが自動的に環境変数%PATH%と%ESPRESSO_PSEUDO%を設定する。そのため、具体的な場所を知らなくても、マシンの全てのユーザーは実行形式ファイルや擬ポテンシャルファイルにアクセスすることが可能である。Quantum ESPRESSOの一般および用例に関するドキュメントはPDFファイルで提供されている。入力ファイルの構文の参照内容はリンク付きHTMLファイルで用意されていて、一覧表がある。これら全てのドキュメントはWindowsのスタートメニューから呼び出せる。
Windows上でQuantum ESPRESSOを実行する
一般
[キャプチャー画面]
内容
Quantum ESPRESSOツールはテキストモードのプログラムである。Windowsのスタートメニューで[スタート]-[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[コマンドプロンプト]を選ぶか、プログラムとファイルの検索欄にcmdを入力して、コマンドプロンプトを起動する。インストーラーが自動的に環境変数PATHを設定するため、関連実行ファイルはシステム内のどこからでも実行できる。
逐次実行
上述のように端末ウィンドウを起動し、入力ファイルのあるフォルダに移動する。Quantum ESPRESSOを実行させるには、例えば以下のようなコマンドを入力する。
pw -in test.in > test.out
メッセージパッシングインターフェース(MPI)による並列計算
mpich2対応のインストーラーでインストールするとMPIによる並列計算が可能である。その前に、アルゴンヌ研究所からMPICH2をインストールする必要がある。Quantum ESPORESSOインストーラーにはMPICH2は含まれておらず、事前にインストールされているかのチェックもしない。
インストール前の重要事項
MPICH2をインストールした後、システムに統合する必要がある。管理者モードでコマンドプロンプトを起動(アイコンを右クリック)し、MPICH2をインストールしたディレクトリに移動する。サブディレクトリbinに移動し、smpd.exe -installを実行する。
並列計算の実行
MPI並列実行可能ファイルは、
mpiexec -localonly # pw ...
または、
mpiexec -np # pw ...
で実行する。"#"には並列プロセス数を指定する。後者の場合、再起動後に最初に実行する際、ユーザーIDとパスワードの入力を促される。また、-localonlyではなく-npを使用する場合、環境変数は実行可能ファイルに反映されないため注意が必要である。例えば、デフォルトの擬ポテンシャルファイルの場所をカレントディレクトリにて利用する場合は、
mpiexec -env ESPRESSO_PSEUDO ./ -np 2 pw in myinput.in
と指定する。I/Oリダイレクトによって入力ファイルの指定(< myinput.inの形式)をしても動作しないので注意が必要である。上記の通り、フラグ-inを利用すること。詳細は、MPICH2ドキュメントを参照のこと。
オリジナル文書 by Axel Kohlmeyer