Windows上で計算
第一原理計算。私は実験屋な/だったので,雲の上の存在です。それでも,理論屋が構築してくれたコードを,いつかは人並みに操れるようになりたいとの思いがあります。
しかし,理論屋が所有している本格的な環境を整えるのは,今の自分のスキルでは心理的に敷居が高いです。何より豚に真珠でしょう。一方,身に付けるには,実際に触れて触れて触れるのが良いと考えています。何事も,地道な訓練をしなければ身に付くはずもありませんので。
上記の一見矛盾した要求を解消する方法の1つに,手持ちの環境,つまりWindowsで第一原理計算を試すというものがあります。Windowsで一定の計算を実際に経験すれば,幾らか身に付くでしょうし,本格的な環境を整えるか否かの判断もできます。
世には多くの第一原理計算コードがありますが,大半はUnix互換環境で動作します。また,ソースコードを自分でコンパイルする必要もあります。cygwinを導入すればWindows上でも環境を構築可能ですが,計算以外の知識や手間は少なければ少ないほど嬉しいでしょう。
大変ありがたいことに,Windowsの実行形式を提供してくれている第一原理計算コードが2つあります。1つはabinit,もう1つはQuantum ESPRESSOです。情報量の点で後者に軍配が上がるため,主にQuantum ESPRESSO on Windowsを選びます。しかし,並列して前者も触ります。両者のコードで計算上何の違いがあるかは知りません。それも含めて,実践で学んで行く心持ちです。
また,第一原理計算を結晶構造解析とリンクさせたいという思いがあります。結晶構造解析はWindowsで実施しているユーザーも多いため,本ブログが何かの参考になれば幸いです。